金属の特性 properties of metal 2005 8 1

 鉄(Fe)などの金属は、丈夫で加工しやすいというのが特徴です。
しかし、錆びやすいのが欠点です。
 ところで、「錆びる」ということは、どういうことか、ご存じでしょうか。
「錆びる」ということは、「酸化した」と言えるかもしれません。
 金属の表面には、特殊な作用があります。
これを、「表面の科学」と言います。
 たとえば、鉄という金属の場合、鉄原子が、結晶構造を作っていますが、
「金属の内部にある鉄原子」と「金属の表面にある鉄原子」では、様子が大きく異なるのです。
 「内部の鉄原子」は、上下左右、同じ鉄原子と結びあっていますが、
「表面の鉄原子」は、表面にあるため、そうなっていません。
 そこで、「表面の鉄原子」は、何でもいいから、他の原子と結びつこうとするのです。
つまり、大気中の酸素原子を取り込んでしまうのです。
これが、「錆」なのです。
 ここで不思議なことは、こういうことです。
酸素は、通常、酸素原子では存在せず、酸素分子として存在します。
酸素分子は、何らかのエネルギーを与えないと、酸素原子に分解しません。
 それなのに、「表面の鉄原子」は、上手に酸素分子を分解して、
酸素原子として、金属に取り込んでしまうのです。
 「表面の科学」というと難しくなってしまいますが、
こうしたことで、科学に興味を持っていただけたら、幸いです。

プラチナ platinum 2005 7 18
 水が、水素と酸素で構成されていることは、ご存じだと思います。
その比率は、2対1です。
だから、水素と酸素を、2対1の割合で、容器に入れれば、水ができるか。
 実は、それだけでは、何も起きません。
水素と酸素が合体して、水に変身するという化学変化を起こすには、何か刺激が必要です。
そこで、一般的には、火花を使うのです。
 しかし、火花を使うのは嫌だと言う人もいるでしょう。
そういう場合は、プラチナ(白金)を使います。
プラチナは、「水素と酸素が合体して、水に変身するという化学変化」を促進する働きがあります。
 一般的に、水素も酸素も、原子レベルでは存在しません。
通常、分子レベルで、つまり、水素分子や酸素分子という形で存在します。
 しかし、分子レベルでは、他の原子(元素)とは、合体しにくいのです。
つまり、合体するには、一度、分子レベルから、原子レベルに分解する必要があるのです。
そこで、その際に、火花やプラチナが、補助役として活躍するのです。
(一般的に、分子レベルを、原子レベルに分解するには、エネルギーが必要です)。
 ところで、プラチナが、どうして、そういう働きをするのか、不思議でしょう。
これは、「表面の科学」という分野です。
金属は、金属原子が結晶構造になっていますが、表面の金属原子は、特殊な働きをするのです。
表面の金属原子は、他の分子を取り込んで、原子レベルに分解する作用があるのです。
 そういうわけで、水素と酸素の混合気体に、プラチナを入れれば、
プラチナが、水素分子や酸素分子を分解し、
その結果、水素原子と酸素原子が合体し、水ができるのです。



































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